冴えない彼女の育てかたという作品を振り返って

 丸戸史明冴えない彼女の育てかた(以下:冴えカノ)が13巻で完結してしまいました。WHITE ALBUM2という前作(前作じゃない)に衝撃を受けた身としてこの作品を追ってきたので自分なりに振り返ってみたいと思います。

 

作品として

 丸戸作品というと「面倒くさいヒロイン」であったり、「ちょっとだけ優しい世界」だったりという言葉で語られることが多いように感じます。

実際冴えカノでも"加藤恵"という強烈に面倒くさくて可愛いメインヒロインが出てきて、全てが破綻しそうになるゲーム制作や人間関係を修復・完成へと周囲の優しい世界が紡いでいく。そんな作品であったと思います

安芸倫也という主人公

 安芸倫也という主人公は、丸戸作品のヒロインの中では凡庸で暑苦しく、言ってしまえば「どこがいいの?」と言いたくなるキャラクターでした。WHITE ALBUM2の春希やパルフェの仁に比べれば、どうにも魅力的とは言い難いキャラで主人公補正でメインヒロインと仲良くなる物語だったという印象が個人的に最後まで拭えませんでした。

 

加藤恵というメインヒロイン

 加藤恵というヒロインは、「フラット」という要素を加味しても丸戸ヒロインの正統後継者であると言って良いと思っています。(詩羽先輩の方がという意見は理解の上で)

 ただ前作までの面倒で一筋縄ではいかない可愛いヒロインというエロゲ時代の丸戸ヒロインのままでは無かった。もしかしたらラノベの主力ユーザーである中高生への訴求力は限界があるのと踏んだのかもしれませんが、「ブラック」キャラを身に着けていきました。最終巻の目次にそのことを書かれていたので笑いましたが、上手くハマった感じだったなと思っています。ただちょっと安直なキャラクターに後半なっていた様な気もするのも良かったか?と聞かれるとちょっと疑問であったりします。

 

まとめ

 富士見ファンタジア文庫で始めて最終巻まで購入したライトノベルとなりました。個人的にはもう少し誰エンドになるか悩ませてくれる作品だったら良かったな~とか思っています。次何をやるのか分かりませんが、次回作も楽しみにしています。